他人=物と認識してしまう
とある本の内容が興味深かったので、そのことについて話してみたいと思います。
その本では、親と子が過度に『同調』してしまっていることの問題点が取り上げられています。
簡単に本の内容を私(Kei)なりの言葉で説明させていただくと↓
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親と子が『同調』している場合に見られる親の特徴
①自分の子どもがしたことを他人から指摘された時、自分が批判されていると感じる
②生きる喜びや満足感を子どもで満たそうとしている
③子どもが何をやっても、それを肯定する理由を考える
通常、生後10ヶ月くらいまでは、どの親子にも『同調』は自然と起っている。
しかしながら、親が上に上げた②の欲求を満たしたいために子どもが1才を過ぎてからも同調し続けると、その子どもは
自分と他者は違い、それぞれが尊重されるべき人間である
という認識や
他者とは”物”と違い感情を持った存在である、物のように自分の思い通りにできるものではない
という認識が上手く形成されない。
結果として、例えば以下のような行動を起こしやすい。
遊び半分でネットに同級生の恥ずかしい写真を流す
気にいらない相手をネットでいじめる
など。
こういった行為に見られるのは、された相手の気持ちを想像できない、ということ。
「そういうことを自分がされたらどんな気持ちになるか」「相手は傷つくだろうな」ということは考えも及ばない。(誰かに説明されたら、そうかもな・・・とは思うけれど自ら想像して感じることはできない)
それは、親と適切な関係を保てなかった(『同調』関係が続いていた)ため、「他人は”物”と同じ」という認識になってしまっているから。
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Kei:この本に書かれていることについて、どう思う?
他の人に対して”心ない行為”をあまり深く考えずにしている子どもたち(大人たち)はこの本に書かれているように、親との過度な『同調』が原因だと思う?
Makoto:まず、他者に対する”心ない行為”には2つの原因パターンがあると思う。
1.親に甘えられなかった、親に認めてもらえなかった、愛情不足が原因の場合
自分の手が痛くても人を殴る
憂さ晴らしをする
攻撃欲求が強い
面と向かって攻撃する
2.この本に書かれているように親と同調関係が続き、他者を”物”と認識していることが原因の場合
自分は痛くない方法でいじめる
遊び半分でいじめる
動画や写真をネットにUPする
足でける(ボールを蹴るのと同じ意識)
動物虐待
自分の快楽のためレイプなど相手をひどく傷つける行為を平気でする
人の言うことを聞かない
Kei:なるほど。
どうして親と『同調』しすぎることが、人を感情のある存在だと思えなくなることにつながると思う?
Makoto:前の記事でキャサリンが言っていた表現を借りるなら、そもそも子どもは親に恋をしていて、親が全て。
親が自分と同調してくれるのは子どもからしたらすごく嬉しいこと。
「親と子」としてではなく、「恋人同士」の世界観に浸ってしまう、と言ったら分かりやすいかな。
人と見なすのは恋人であるこの人(親)だけ。
で、周りは風景や物と同じ。
子どもはまだ周りの世界を知らないからこそ、その人だけを見ていたいと思う。
その状態が、本来なら外の世界に興味を向ける時期(生後10ヶ月)以降になっても続くと、精神がどっぷり親と自分だけの世界に浸ってしまう。
すると、「他の人なんてどうでもいい」という感覚が固まってしまう。
Kei:そうなると成長して友人ができたり、親とだけの世界から離れたとしても「他の人なんてどうでもいい」という感覚が強く残ってしまうということ?
Makoto:そうだね。
そもそも、そういう子からすると、友人と言っても一緒にいて楽しいから一緒にいるだけで、自分にメリットがなくなったらポイ。ちょっとしたきっかけでいじめる対象にしたり。
Kei:本によると、親が自分の生きる喜びや満足感を子どもで満たそうとする、というのが過度な『同調』の原因だそうだけれど、それについてはどう思う?
Makoto:そうだね。
僕は親が子どもに対して過度な『同調』を続けてしまう原因は大きく分けて4つあると思う
1)脳の外的障害による依存症
2)大切な人や自分の一部だと思えていたものを失った経験がある
3)自分の親に愛されたいという欲求
4)過去生の影響(過去生で子どもが幼い時に離別していたり)
2)~4)の場合であれば、子どもさんが生まれる前、もしくはできるだけ小さいうちに親御さんの心のケアをすることが重要になってくる。
<補足>
過度に『同調』しすぎているかどうかは、最初にあげた3つの特徴を照らし合わせてもらうと分かりやすいかと思います。
親と子が『同調』している場合に見られる親の特徴
①自分の子どもがしたことを他人から指摘された時、自分が批判されていると感じる
②生きる喜びや満足感を子どもで満たそうとしている
③子どもが何をやっても、それを肯定する理由を考える
例えば、園にお迎えに行ったら保育士さんが「今日○○ちゃんが他の子を強く噛んでケガをさせてしまうことがありました」と言ってきた時、
「まだ子どもなんだから仕方ないですよね」と開き直る
「相手の子がウチの○○ちゃんに何かしたからじゃないですか?」と怒る
「そんなことにならないように見守るのが保育園の責任でしょう」と責任転嫁する
上記のような反応をしてしまう親御さん場合、過度の『同調』が起っている可能性が高くなります。(もしくは子育てに関して自信が無い、劣等感を抱えている、という場合も上記のような反応になることがあるかと思います)
逆に、
「そうですか、ウチの○○がそういうことをしてしまったのですね」と受け止め、
「相手のお子さんのケガは大丈夫ですか?どんな状況だったのですか?」と冷静に情報収集をし、
保育士さんと相談して今後の対応を考えようとされる親御さんであれば、過度な『同調』をしている可能性はないと言えます。